FF12のストーリーを考える

とことんネタバレしてますのでクリアしてからお読みください


半月前くらいにクリアしました。
前にも書きましたが、
薄味あっさりストーリーなので、調味料ならぬ想像力を各自ご用意を、と言った風味。
このあっさり感が古きよき時代のFFのストーリーを彷彿とさせます。
あの頃はテキスト量ですら削る時代だったからね、容量足りなくて。
それを容量に不自由せず、3DCGが完成の域に達した今*1でやるのが興味深い。
長い前置きはさておき、ストーリーの空白部分に少し触れてみます。



・親しい人の敵であるバッシュをヴァンとアーシェが信用したわけ
ナルビナ城塞地下牢で会った直後はヴァンは敵意丸出しだったのに、
1時間ほど進めるとセリフから敵意が消えてます。
一見不自然です。
で、想像力を働かせてみます。
バルハイム地下道を抜ける間、バッシュはゲストキャラとして参戦するわけですが、
騎士だっただけあって他のメンバーより少し強いです。
その剣の腕にかなり助けられるわけです。
それが大きかったんではないかと。
さらに肩を並べて戦う間に彼の誠実な人間性をいくらか垣間見たのかもしれません。
アーシェについてもやっぱり似たようなものだと思います。
ちなみに二人が会った直後にジャッジとの戦いがあります。


・オキューリアによる歴史操作
いきなり現れてそのあと全くなりを潜めたまま二度と出てこない偉そうな方々。
実は裏で歴史を操作していたらしい。
細かく言えば、オキューリア達自身の失敗を踏まえた上で(多分)、
人間(特にヒュム)が間違った方向に行かないように会議して方向性を決めてます。
で、実際にどう操作するのかというと、
どうやら誰かに破魔石を託して歴史を動かすという方法を取っているらしい。
ただこれだけだとなんか弱い気がするんですよね。
力を託した人間が思いもよらぬ方向に暴走してしまう可能性もあります。
なので、他の手段でも操作しているんではないかと思います。
で、思い当たるのが二つ。
一つは大灯台でのジャッジ・ガブラスのアーシェを必要以上に煽る態度。
ラーサーにアーシェの心を見極めて欲しいと頼まれたのもあるのですが、
どうにも極端すぎるきらいがあります。
二つ目はアーシェがあちこちで見るラスラの幻影。
自分の仇を取らせる為に破魔石を手にするように仕向けているように見えます。
で、ここからが私の想像。
オキューリアは人の心を操る力があるんじゃないかと。
人形のように操るというより、
何となくオキューリアの意にそぐうように微調整しているという感じで。
それがはっきりとした形であらわれた例がラスラの幻影。
ある意味で大灯台のイベントは、シドと戦っていただけでなく、
オキューリアの歴史操作とも戦っていたのかもしれません。


・ラストのヴェインの行動
不滅なるもの」としてアーシェ達と戦ったヴェインですが、
そのバトルの寸前に負けを悟ったかのセリフを言います。
それでもヴェーネスの力を取り込んでボロボロの体で最後の戦いに挑んだのは、
敵対勢力であるアーシェ達を殺そうというよりは、
本当に人間が歴史の主導権を手におさめる資格があるのか確認するように思えます。
恐らくそれはヴェーネスの意思でもあるのでしょう。
ヴェーネスが自分の役目が終わった事を悟って最後の仕事をしたとも言えるかも。

*1:グラフィック重視とかFF7あたりから言われてきたが、それなりに年季が入ったFFファンの私としては、グラフィック重視なんてFF3の頃からじゃん、と突っ込みたくなる。ファミコンでやってたときから常に最先端でしたとも。